トレーラーハウスとは
トレーラーハウスと聞くと、まだ日本国内では聞きなれない方もおられるかと思います。 トレーラーハウスはイギリスが発祥といわれ、80年以上の歴史があるとされています。 アメリカでは住居として多く使用されており、何千世帯ものコミュニティが形成されており、社会的にも知名度は高くなっております。
近年では日本でも数多く普及が始まり、私たちが「建物」として見ていた物件も、実は「トレーラーハウス」だったということが多く、 それだけ一般的になりつつあります。
トレーラーハウスは、行政上の指針やトレーラーハウスの設置基準を満たすことで、原則固定資産税や自動車税等 の税金は課税されません。そして4~6年の短期間で減価償却ができるといった特徴があります。
トレーラーハウスは「建物」とは異なり、場所を選びません。(「車両を利用した工作物」の扱いです) したがって、市街化調整区域でも設置可能な事例も数多くございます。また、原則として、建築確認申請は不要です。 これらの特徴から、土地の有効活用も期待ができます。 店舗、事務所、一般住居、仮設住居、事業活用、別荘など様々な用途で対応が可能で、活用事例も多様にございます。
トレーラーハウスの分類
トレーラーハウス、プレハブ・コンテナハウス、キャンピングカーの特徴を比較しました。
プレハブ・コンテナハウス
- 鋼製のボックスで「建築物」扱い
- 固定資産税等がかかる
- 調整区域での設置は不可
- 移設にはユニック車 またはクレーンが必要
トレーラーハウス
- 「車両」扱い
- 建築確認申請は不要
- 2×4工法による永住型の品質
- 固定資産税・自動車税がかからない
- けん引車で比較的容易に移動
- 住宅用地以外でも設置できる
※2.5m幅以内・車検付きのトレーラーハウスはこの限りではありません。
キャンピングカー
- エンジンとタイヤがある「自動車」
- 単独で移動できる
- 水、電気、ガスを確保しにくい
- 居住スペースが少ない
トレーラーハウスの種類
トレーラーハウスは大きさによって2種類に分類されます。
車検付きトレーラーハウス(幅2.5M以下)
保安基準第2条に基づく区分により、全長12,000mm、全幅2,500mm、全高3,800mm を超えないもの。 このサイズのものはいわゆる自動車と同じ扱いとなり車検を取る事が出来ます。車検を取得する事でナンバープレートが交付されますので、それを取り付けます。「車検付きトレーラーハウス」は自動車扱いになりますので、公道をいつでも自由に走行する事が出来ます。
- 固定資産税はかからない
- 移動に許可はいらない
- 初回車検2年 以降毎年車検
- 自動車税、重量税、自賠責保険必要
大型トレーラーハウス(幅2.5M以上)
上記保安基準を超えたサイズのものは、「大型トレーラーハウス」という扱いになります。 車検は取れないためナンバープレートは付きません。いつでも自由に走行する事は出来ず、走行する際には「基準緩和認定書」「特殊車両通行許可証」という下記2つの書類の交付を受けて、それに基づいて公道を走行する事になります。近年では大型トレーラーハウスは認めない代わりに、車検付きトレーラーハウスであれば設置を許可する、という自治体も増えてきています。
- 固定資産税はかからない
- 移動には申請が必要(国土交通省)
- 維持に関する税金は掛からない(2023.7月現在)
トレーラーハウスの活用例
住居用の活用
トレーラーハウスと言えば、この使い方をイメージする方も多いと思います。実際には住民票を取得するのが困難な事から、別荘や母家に対する離れとして利用されるケースが一般的です。
店舗用の活用
飲食店、物販、美容室、ネイルサロン、観光地のアンテナショップなど、店舗として幅広く使われています。一定期間利用し、出店のためのテストマーケティングにも活用出来ます。
事務所用の活用
企業のオフィスとして、トレーラーハウスは多く利用されています。トイレやキッチンを付ける事で、オフィスが更に快適になります。
宿泊用の活用
「建築物」ではない「車両」としての特性を活かした立地、事業スキームによって、遊休地やプロジェクト地の収益最大化を狙うことができます。
医療用の活用
発熱外来をトレーラーハウスで設置する事で、一般病棟と隔離した環境が作れます。感染症対策として利用が急速に拡大しています。
災害用の活用
普段は施設として使い、非常時には災害地へ輸送して被災者支援に役立てる使い方も広がっています。移動可能なトレーラーハウスならではの活用です。今後、地方自治体を中心にこうした取組みが増えていく事でしょう。